東京高等裁判所 昭和58年(う)941号 判決
被告人 美木良吉
〔抄 録〕
盗犯等防止法三条の罪にいう「刑ノ執行ヲ受ケ」とあるのは、文理上、三回以上言い渡された刑がともに一〇年内に執行を開始された場合はもちろん、そのうちの第一回の刑は一〇年以前に開始されたものでもその終期が一〇年内にあるときは本条の要件を具備しているものと解するのが相当であり、かかる場合を除外すべき合理的な理由はないところ、これを本件についてみると、本件は昭和五八年四月六日の犯行であるところ、原判決が判示罪となるべき事実の冒頭に摘示する三つの裁判のうち、最初の昭和四七年九月二一日静岡地方裁判所で言い渡された窃盗罪等により懲役三年に処するとの裁判は、昭和四八年二月一五日に確定し、同日右刑の執行が開始され、昭和五〇年八月一〇日その刑の執行が終了したことが認められ、従って、被告人の本件犯行が盗犯等防止法三条所定の要件を具備するものであることは明らかであって、原判決には所論のごとき法令解釈適用の誤りは存在しない。
(時國 下村 中野)